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  1. 悪書追放が叫ばれる社会状況の中、1人の若者が文壇デビューを果たす。

     彼の書いた『太陽の季節』は大きなムーブメントとなり「太陽族」と呼ばれる若者を生み出した。

     しかし、太陽の季節をはじめとして、強姦や輪姦に拉致監禁という過激な表現を繰り返す彼の小説は、大人たちから見れば好ましからざるものであった。

     大人たちの反発に対して彼は「おとなの世代の価値判断でしかものを言ってないような気がする」として、そうした道徳的な批判を一蹴している。

     こうして表現規制に反発した彼は、それから50年以上の時を経て、東京都の都知事の椅子に座り、東京都の青少年健全育成条例改正に反対するマンガ家たちに向けて、こう発言することになる。

     「連中が果たして芸術家かどうかは知らないけど、そんなことで描きたいものが描けなくなるなら作家じゃないよ。ある意味、卑しい仕事をしてるんだから彼らは。あの変態を是とするみたいな、そういう人間がいるから商品として需要があるんだろうけど、話にならんね」と。

     かつて、新しい文化を産み出した反逆のヒーロー、石原慎太郎氏が、権力の座について歳月を経て、自分の価値観にそぐわない文化を見下して否定する。これがもし創作小説なら「ちょっとベタ過ぎやしないか?」と思ってしまうほどに熱い展開である。